炭化ケイ素発熱体主な用途としては電気炉内にヒーターとして組み込まれることが多く、800℃~1600℃までの幅広い温度域に対応しております。利用されている分野は、一般産業、自動車、電気・半導体、医療、ガラス(光学)、鉄鋼、非鉄、リサイクル、および先端科学など数多くの産業、学術研究所などでご利用いただいております。また、特殊雰囲気条件下でもご使用いただけるコーティング付き発熱体も準備いたしております。
炭化ケイ素発熱体は高純度のシリコンカーバイド(SiC炭化珪素)を主体とする発熱体です。発熱体としての物理的かつ電気的特性を持たせるため、焼結により製造されます。炭化ケイ素発熱体は高純度SiCから成り、わが国で最初に市販された炭化けい素発熱体です。独自の開発技術と内外の技術を結集して品質の向上・改良に努め、ここに業界最大の生産規模と共に最高品質の製品としてご好評いただいております。
炭化ケイ素発熱体の特長
最高炉内温度1600℃に耐えられます。
単位面積当りの発熱量が非常に大きい。(ニクロム発熱体の5~10倍です。)
強度が強く、衝撃に優れています。
化学的に極めて安定しています。
大気汚染、騒音公害のない熱源です。
水蒸気、有害ガス対抗用として各種コーティング施工品があります。
取り扱いが簡単です。
炭化ケイ素発熱体の寿命、すなわち抵抗値が初期の約3倍になるまでの時間は次の使用条件によって相当差がありますのでご注意ください。
使用温度
表面負荷密度
炉内の雰囲気および処理物
通電方法
結線方法
その他発熱体の取付け方法
炭化ケイ素発熱体の温度が高いほど寿命は短くなります。特に炉内が1400℃、1600℃(SG・SGR)以上になると酸化速度が速くなり短寿命になります。したがってエレマの表面温度をできるだけ低くして使用することが望ましいわけです。すなわち炉内温度とエレマの温度差をできるだけ少なくすることが必要です。これについては次項の表面負荷密度(W/cm2)において説明します。
電気炉を昼夜連続運転する場合と、断続して運転する場合とでは、前者のほうが寿命が長くなります。炭化ケイ素発熱体は、使用中に炭化けい素の表面が酸化してけい酸皮膜が生成されます。長時間使用していると、このけい酸皮膜は徐々に増加し発熱体の抵抗が増加します。このけい酸皮膜は結晶変態点付近(270℃)において異常膨張、収縮を起こします。断続使用でこの温度付近を上下しますとこの皮膜の破壊がくり返され、酸化が促されます。したがって停電などにより炉温が室温近くまで下がった場合は急激に抵抗増加する場合があります。